ル・リアン志津創業記念講演

脚本：あわさんご

あらすじ：舞台は山口県長門市仙崎。音楽劇では童謡詩人金子みすゞ（本名 金子テル）とその娘の上村ふさえ（ふうちゃん）母娘の世界を描いている。90歳になったふうちゃんは70歳になるまでの長い間、「自分は見捨てられ、置いて行かれた」と思い込んで生きてきた。ところがふうちゃんが3歳になるまでの言葉を書き写した「南京玉」という手紙を見た時、はじめて母の真実の愛を確信した。そして、90歳のふうちゃんは現実には叶わなかった母みすゞとの優しく温かな母親の時間を夢の中で過ごすのだ。その時間というのは普通の親子のどこにでもある他愛もない会話や平凡な日常のやりとりである。そこにはみすゞの素晴らしい感性や洞察力、視点や優しい眼差しをみることができる。夢の中で次々と飛び出してくる会話や歌・朗読などからふうちゃんにもそれらのものが自信に育まれていく様子を観て感じてほしい。それは、まさに母みすゞが命がけで守りたかったものなのだから。